生姜科のウコン属の多年草で高温多湿を好む。日本産では沖縄が有名で、沖縄では肝臓の妙薬として使われている。
ウコンは生姜科ウコン属の多年草で、高温多湿を好み南アジアを中心に、アジア、アフリカ、中南米の各大陸の熱帯から亜熱帯にかけて広く自生しています。
外見はショウガに似た根茎と、ひげ根の先端が肥大根となるのが特徴です。
ウコンの故郷は東インド地方で紀元前970年頃にはウコンの栽培が始まったとされています。日本においては、本格的に流通が始まったのは1609年に琉球王朝が薩摩の支配下に入った以後とされています。
ウコンは中国医学で言うところの生薬の中でも、命を養い、いくら飲んでも副作用がないことがない上薬に分類されており、沖縄でも肝臓の妙薬として古くから使われています
ウコンには50種類ほど認められており、日本産で日本人になじみが深いのが春ウコン(キョウオウ)、秋ウコン(ウコン)、ガジュツ(紫ウコン)の3種類です。
秋ウコンは洋名ターメリックとも呼ばれカレー粉に利用されたり、タクアンの色づけやインドの僧侶が着用する袈裟の色づけにも秋ウコンの色素が使われています。
一時は西洋医学におされウコンは姿を消しましたが、現代、西洋医学の問題点が露呈するにあたって、ウコンの薬効が再び注目されています。
春にピンクの花を咲かせ、鮮やかな黄色で辛味と苦味があり食用には不向きです。春ウコンは秋ウコンに比べクルクミンの量は少ないですが、シネオール、ターメロン、αークルクメン、クルクモールなどの精油成分が多く含まれています。
精油成分が多く含まれ、秋ウコンよりは少ないですがクルクミンも含まれていますので、健胃効果をはじめ、肝臓、心臓、腎臓膵臓、肺にも効果を発揮します。
クルクミンが豊富に含まれている
秋に白い花を咲かせ、ダイダイ色で苦味がありません。クルクミンの含有量が一番多く、研究が一番進んでいるのも秋ウコンです。一般的にウコンと言えば秋ウコンのことを指し、このサイトでも秋ウコンの効果について中心に書いています。
精油成分が一番多く含まれている
薄い紫色をしており、苦味が非常に強いです。クルクミンはほとんど含まれていませんが、精油成分が3つのウコンの中でも一番多いです。
働きとしては、潰瘍の主な原因のピロリ菌を消滅させる働きがあるため、胃潰瘍、十二指腸潰瘍に良いとされています。また血液浄化作用により、肩こり腰痛の原因物質が取り除き改善する働きもあります。
紫ウコン(ガジュツ)はもうひとつダイエット効果があります。
紫ウコン(ガジュツ)の成分「シネオール」には血液中の余分なコレステロールの排出、「アズレン」には腸の老廃物を短時間で排出する働きがあります。また「カンファー」には胃腸の働きを良好にする働きがあり、これら3つの成分がダイエットに力を発揮します。
ウコンが肝臓に良いとは一般的にも知られています。
ウコンの成分、「クルクミン」には肝臓の解毒作用を高める働きがあります。また胆汁の分泌を活発にする働きがあり、胆汁の分泌が活発になると肝細胞が刺激され肝機能が向上します。これらの働きが肝機能を向上させるのです。
ウコンのクルクミンはアルコールの分解を促進する働きがあり、ウコンのアルコール分解作用には即効性があると言われています。飲酒前にウコンを摂取することにより、二日酔いの予防に役に立つかもしれません。
また、ウコンによる肝機能の向上はアルコール以外の肝機能障害にも効く可能性があり、動物実験では肝炎による肝障害を抑えることがわかっています。
ビール(中ビン)を一人日本飲んでもらい、一方はビールのみ飲んでもらいもう一方はビールとウコンを一緒に飲んでもらい、4時間後の血中のアルコール残存量の違いを調べました。その結果、ビールとウコンを一緒に飲んでもらったグループはアルコール残存量が最高で35%も減少した結果がでました。
沖縄の病院で、肝機能に障害がある患者さんに1年間毎日2gのウコンを摂取してもらいました。その結果、肝臓のダメージ指数を表すGOT・GPTの指数が正常値に戻り肝機能も回復しました。
活性酸素が人間の病気の原因の90%を占めると言われています。活性酸素の毒性を無毒化する物質を抗酸化物質といい、有名なものにビタミンC、E等があります。
名古屋大学、大澤俊彦教授の研究によると「クルクミンは、体内に入ると腸管から吸収されるさいに、還元(水素を与えること)と呼ばれる現象によって「テトラヒドロクルクミン」に変わる。このテトロヒドロクルクミンに活性酸素を退治する非常に強力な働きがある」とし「クルクミンには活性酸素を退治する優れた力がある」としています。
ウコンの成分クルクミンの抗酸化作用は1996年の米国科学学会においても
「ウコンに含まれるクルクミンは活性酸素を除去するうえでビタミンC、Eよりも即効性が高く、ガンを抑制する効果もある」と発表しています。
愛知県大府市にある国立中部病院にて、クルクミンと寿命の関係をラットを使い実験しました。
生後13ヶ月のマウス(人間の年齢で約30歳)に1日あたり0.008グラムのテトラヒドロクルクミンを混ぜたえさを与え続けたところ与えなかったマウスに比べ平均寿命が平均で84.6日、約11%延びました。
また生後19ヶ月のマウス(人間の年齢で45歳)に同様の実験をしたところ寿命はほとんど変わらず若いマウスの方が効果が大きいことがわかりました。
ガンの発生過程は、遺伝子傷つける「イニシエーション」、ガン化を促進する「プロモーション」、悪性化の「プログレッション」の3段回に分けられます。
名古屋大学大学院・生命農学研究科の大沢俊彦教授は「ターメリック(ウコン)の主成分は、黄色色素の3種類のクルクミン類縁体で、ガン化を促進する発ガンプロモーションを抑制する作用がある」と指摘しています。
日本では1995年からはじまった「ガン克服10ヵ年計画」の中にもウコンが取り上げられているほか、ウコンの抗酸化作用などの働きは「日本癌学会」「日本薬学会」「和漢薬学会」などで発表されています。
ウコンのクルクミンと抗ガン作用の関係を調べた研究では、大腸がん、腎臓がん、肺がん、皮膚がん、乳がん、肝臓がんなどの発生をおさえる可能性が示唆されています。
ウコンの主成分クルクミンには胆汁の分泌を促進する働きがあります。胆汁は脂肪の分解や栄養素を吸収、アルコール等の有害物質を分解する働きがあります。
胆汁は胆汁酸が主成分ですが、胆汁酸を作り出すにはコレステロールが必要です。
クルクミンが胆汁の分泌を促進することで、コレステロールが消費され、体内のコレステロールを減らす働きがあります。
肝臓と肌は密接に関係しています。全身の血液は肝臓に集められ、血液中の老廃物、有毒物質は取り除かれ皮膚などを構成に必要なたんぱく質や酸素を与え、血液を送り出します。肌は肝臓から送られてきた血液をもとに新陳代謝を行います。
肝臓の機能が低下すると肝臓の有毒物質の浄化作用が落ち、老廃物が混じった血液を全身に送り出してしまいます。
老廃物が混じった血液を受け取った肌は、肌を老廃物から守るためにメラノサイドが大量のメラニン色素を生成してしまいます。
このように肝臓の機能の低下は肌の調子の低下を招きます。ウコンのクルクミンの肝機能の改善美肌につながるわけです。
ウコンが多く使われているカレーを伝統的に多く食しているインド人はアメリカ人と比べてアルツハイマー病が4分の1だそうです
金沢大学大学院の山田正仁教授と小野賢二郎医師らは、ウコンの成分クルクミンがアルツハイマー病の原因となる物質の生成を防ぐ効果があるとの研究結果を発表しました。
アルツハイマー病の原因として、脳内で「アミロイドベータ(Aβ)」という物質が繊維状に結合することにより毒性をもち、付近の神経細胞が死んでいくこと考えられていますクルクミンはアミロイドベータ(Aβ)が線維化するのを大幅に抑制し、すでに線維化したアミロイドベータ(Aβ)を分解することが確認されています。
摂取目安量はウコンとして1日3〜5g、サプリメントとして摂取する際にはクルクミンの量として30gが目安です。二日酔い防止には即効性を発揮しますが、その他の効果を得るには3ヶ月以上の長期摂取が必要とされています。
ウコンの安全性に関しては、ラット、モルモット、サルで確認されています。人においても1日8gを3ヶ月間摂取した際に毒性を示さないことが確認されています。安全性は高いといえるでしょう。
ただし、子宮の働きに影響を与えるため妊婦、授乳婦、子供は摂取をさけるほうがよいでしょう。また肝臓、その他臓器に疾患のある人は医師に相談が必要です。過剰に摂取しますと肝機能に異常をきたす可能性もあります。
ウコンの主成分クルクミンは脂溶性です。食事と一緒に摂ると食事の油がクルクミンの吸収を高めます。
また、クルクミンはパン(イースト菌)ヨーグルト(乳酸菌、ビフィズス菌)と一緒にとるとクルクミンが効率良く強力な抗酸化物質テトラヒドロクルクミンに変化します。
さらに卵、大豆(レシチン)と一緒に摂ると乳化作用により吸収が高まります。
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